行政執行訴訟手続き §766.1 「適用範囲」 本章で、EARの参照は15 CFR 第Z章、副章Cによる。本章は、1979年の 輸出管理法、改正があれば改正後のもの(EAA)、輸出管理規則(EAR)、 又はその他命令、若しくはそれらに基づき発行された許可証又は認可証違反に対 する行政制裁の仕方、手続きについて記述している。EARの760章及び 764章は違反を構成するそれらの活動を明記し、764章は適用される制裁に ついて記述している。制裁の仕方、手続きの記述に加えて、本章では、EAA、 EAR、又はその他命令、若しくはそれらに基づき発行された許可証又は認可証 に対する差し迫った違反回避のための暫定拒絶命令の出し方、手続きについて記 述している。本章では又、EAAを含めてEAAの11(h)節に掲載されているい ずれかの法令に違反し、有罪が決定している個人の輸出特権を拒絶する随意の保 護行政活動のやり方、手続きについても記述している。しかし、本章は、EAA により与えられた調査権限の行使を含め、EAA又はEARに関連するその他の 行政若しくは執行活動に適用し、或いはそれを制限するものではない。本章は、 本章で特に規定する場合を除き、如何なる手続き上の権益を付与するものでもな く、或いはEAAに定めるところの違反告発の手続きについての行政手続き法に 基づく如何なる要件をも課すものではない。 §766.2 「定義」 本章では下記の定義を適用する。 行政法審判官 EAAに基づき提起された行政執行訴訟手続きにおける聴聞会を実施し、或い は暫定拒絶命令に対する抗告を審理する権限を有する者を言う。文脈から行政 法審判官を指すことが明白な場合には、簡潔に”審判官”と言うことがある。 次官補 産業安全保障局の輸出執行担当次官補を言う。 産業安全保障局(BIS) 米国商務省の産業安全保障局(旧称、輸出管理局)及びその全ての構成単位を 言う。殊に、本章では反ボイコット遵守事務所、輸出執行事務所、及び輸出者 サービス事務所を含むことに注意を要す。 最終裁決 行政制裁、輸出特権の拒絶又はその他制裁を課す裁決又は命令を言う。或いは 本章ではこれ以上審理が行われないが、法律により権限を与えられた適切な地 方裁判所において、徴税手続き若しくは司法審理がなされるところの訴訟のそ の他処理又は却下を言う。 初期裁決 EARの760章関連の違反を含む訴訟手続きにおける行政法審判官の裁決を 言う。そして、不服のある場合は輸出管理担当次官による上訴の審理を受けら れるが、上訴しなければこれが最終裁決になる。 当事者 BIS及び本章で被控訴人と呼ばれる者を言う。 裁決推奨案 EARの760章関連以外の違反を含む訴訟手続きにおける行政法審判官の裁 決であって、輸出管理担当商務次官による審理を受け、次官がその裁決推奨案 を確定、修正又は無効とする文書による命令を発行するものを言う。 被控訴人 本章に基づき発議又は発行される、告発状、告発建議書、暫定拒絶命令、その 他命令の対象者に指名された者を言う。 次官 米国商務省の輸出管理担当次官を言い、同時に産業安全保障担当次官の資格を 保有するものを言う。 (訳者注:当事者及び被控訴人が不定冠詞 a を付して表されている場合には、 複数の対象者の内の任意の者を指すものと考え、原則として当事者当 人又は被控訴人当人と訳すことにした。) §766.3 「行政執行訴訟手続きの開始」 (a)告発状 輸出執行事務所(OEE)の所長1)又は反ボイコット遵守事務所(OAC) の所長は、BISの名において発行する告発状により本章に基づく行政執行 訴訟手続きを適宜開始する。本告発状は正式な告訴を成すものであり、 EAA、EAR、又はその他命令、若しくはそれらに基づき発行された許可 証又は認可証に対する違反が起こっていると信ずるべき理由のあることを述 べる。それは、違反容疑についての本質的な事実関係を述べ、関与する特定 の取締り又はその他条項に言及し、そしてEARの764章に基づく有効な 制裁を通告する。告発状は被控訴人に次の3点を報知する。1点目は、本章 の§766.6に規定されているところの告発状への回答を怠った場合には、本 章の§766.7に基づく懈怠(不出頭)として取扱うこと。2点目は、被控訴 人は回答と共に文書により開催要請をすれば、聴聞会に出席する権利がある こと。3点目は、被控訴人の代わりに弁護士、若しくは被控訴人を代表する 委任状を持つその他正当な代理者が代弁できること。である。 告発状の写しは行政法審判官に提出されなければならない。そして、これを 提出することが適切な規制法令の運営を警鐘を鳴らして告げることになる。 告発状は、回答書が提出される迄は何時でも、又はその後は行政法審判官の 許可を得て、改正若しくは補足されることがある。BISは、被控訴人及び 行政法審判官に通知して、何時でも告発状を一方的に撤回することができる。 1)戦略的産業・経済資源管理事務所の所長との合意の下で、輸出執行事 務所所長はEAAの7節に基づき課せられる供給不足規制を施行する。 (b)行政執行訴訟手続きを開始する告発状発行通知 被控訴人当人は、告発状若しくはそれの改正又は補足の発行を次のいずれか の方法により知らされる。 (1)知られている最新の住所の被控訴人宛て書留若しくは配達証明郵便で写し を郵送する方法 (2)被控訴人に、若しくは、指名又は法律により被控訴人に代わり令状の送達 を受取る権限を与えられた職員、管理人又は総代理人、或いはその他代理 者に、写しを引き渡す方法 (3)被控訴人の知られている最新の住居に同居する、適当な年齢でかつ分別の ある者に写しを引き渡す方法 (4)もし、本節の(b)(2)又は(3)に記述した方法が用いられるならば、係る送 達を行った者により署名され、送達方法と告発状を引き渡した相手の身分 証明を陳述する送達証明書により、告発状の写しの交付が証明されなけれ ばならない。前記送達証明書を行政法審判官に提出しなければならない。 (c)期日 行政執行訴訟手続きを開始する告発状発行通知送達日、若しくは告発状の補 足又は改正の発行通知送達日は、その引渡し日又は引渡しが拒絶された場合 は、引渡ししようとした日とする。 §766.4 「代理」 被控訴人本人が出頭する場合は、時々に応じて個人として、或いは正式に権限 を与えられた職員又は従業員による法人として、又、共同経営者による合名会 社として参加することができる。もし、被控訴人当人が弁護士により代表され るならば、弁護士は米国の州、連邦、又は領土、若しくはコロンビア特別区の 弁護士会のきちんとした会員でなければならず、或いは、弁護士が居住する国 が米国外ならば、その国で弁護士開業の免許が与えられていなければならない。 被控訴人当人は個人として、或いは弁護士若しくはその他代理人経由で、出頭 の通知を行政法審判官に提出しなければならない。BISは、米国商務省の産 業安全保障担当の直属顧問弁護士事務所により代表されることになる。 §766.5 「告発状を除く書類の提出及び送達」 (a)提出 提出すべき全ての書類の送付先は、米国商務省,H-6716号室,ワシントン,D.C. 20230,N.W.,コンシチィチューション大通り14番街、”EAR行政執行訴訟手続き係” 宛、若しくは行政法審判官が指定するところのその他の場所宛としなければ ならない。提出方法は、米国の第一種郵便、至急貨物便又は同等の小包配達 便、若しくは手持ち便によるものとする。外国から郵便による提出をする場 合は、航空郵便によるものとする。それに加えて、行政法審判官はファクシ ミリ又はその他電子的手段による書類の提出を、前記書類のハードコピーが その後に提出されることを条件に、認めることがある。提出される各書類の 写しは各当事者に同時に送達されなければならない。 (b)送達 送達方法は、訴訟手続き中の各当事者に各書類のコピー一部を個人的に配達 するか、郵送するものとする。配送若しくは、本節の(a)に述べるファクシミ リによる送達も受け入れられる。BISへの送達は、米国商務省,H-3839号 室,ワシントン,D.C.20230,N.W.,コンシチィチューション大通り14番街、産業安全安全保障 担当、直属顧問弁護士宛としなければならない。被控訴人当人への送達は、 告発状が送付された住所宛、若しくは被控訴人が規定するところのその他住 所宛としなければならない。当事者当人に代わり弁護士、又はその他代理人 が出頭している場合は、弁護士又はその他代理人へ送達すれば、前記当事者 へ送達したものとする。 (c)期日 提出日若しくは送達日は、書類を郵便で投函した日、若しくは自分で届ける か、配送するか、又はファクシミリで送信した日とする。 (d)送達証明書 告発状を除く書類の提出及び当事者への送達の際は、送達を行った当事者に より署名された送達証明書であって、期日及び送達方法を記述したものを、 前記書類に添付しなければならない。 (e)期間の計算 本章で、若しくは行政法審判官又は次官の命令書で、規定或いは許可される 期間の計算においては、指定された期間の開始日となる当該行為、出来事、 又は懈怠(不出頭)の日を含めない。同じ計算において、期間の最終日は、 それが土曜日、日曜日、又は法定祝祭日(民事訴訟連邦規定の規定6(a)の 定義による)でない限り、その日を含める。もし、それが土、日、祝祭日な らば、そうでない翌日の終りまで期間が逐次繰り延べられる。規定或いは許 可される期間が7日以下の場合は、その間に土曜日、日曜日、又は法定祝祭 日があると、その日を本計算から除外する。 §766.6 「回答及び聴聞会の開催要請」 (a)回答の時期 被控訴人は、行政執行訴訟手続きを開始する告発状発行通知が送達されてか ら30日以内に、若しくは告発状の補足又は改正の通知から30日以内に、 告発状に回答しなければならない。但し、本章§766.16に基づき期間が延長 された場合はこの限りではない。 (b)回答内容 回答は告発状に応答したものでなけれはならず、かつ被控訴人の弁明の特質 を充分に述べたものでなければならない。回答は告発状の各主張毎に具体的 に是認若しくは否認したものでなければならない。もし、被控訴人が全く知 らないことならば、回答はそう述べなければならず、そうすれば否認したこ とになる。個別の主張に否認若しくは反論をしない場合は、当該主張を是認 したものと見なされる。回答は又、弁明若しくは刑の軽減要求を支援するも のと被控訴人が信ずる、追加のまたは新しい事柄についても述べなければな らない。回答において、具体的に述べない場合はその一切の弁明、若しくは 一部の弁明の権利を放棄したものと見なされ、それに基づく証拠は拒絶され ることがある。但し、正当な理由が示されている場合はこの限りではない。 (c)聴聞会の開催要請 もし、被控訴人が聴聞会を望むならば、回答と共に文書による開催要請が提 出されなければならない。BISによる聴聞会の開催要請は、回答の送達後 30日以 内に行政法審判官に提出されなければならない。適切な時期に文 書による聴聞会の開催要請がされない場合は、当事者が聴聞会要請の権利を 放棄したものとみなすこととする。但し、正当な理由が示されている場合は この限りではない。もし、当事者の誰も聴聞会を要請しないならば、本件は 本章§766.15に述べる手続きに従い処理される。 (d)英語要件 回答書、その他全ての書類、及び全ての証拠書類は英語で提出されるか、若 しくは英語に翻訳したものが同時に提出及び送達されなければならない。 §766.7 「懈怠(不出頭)」 (a)総論 規定された期間内に被控訴人が回答書を提出しない場合は、被控訴人が出頭 して告発状の主張に反論する被控訴人の権利を放棄したことになる。係る場 合に、行政法審判官はBISの動議で、被控訴人に改めて通知することなく、 告発状で申し立てられているところの事実認否について判定を下し、そして 事実認定、適切な起訴不起訴の決定、及び適切な制裁を課す命令の発行若し くは勧告を含む初期裁決又は裁決推奨案を言い渡すものとする。前記裁決及 び命令は本章の§766.21又は§766.22に述べる適用可能な手続きに従い、次 官による審理を受けるものとする。 (b)欠席裁決の破棄請願書 (1)手続き 欠席裁決による命令が発行されている被控訴人による請願書であって、そ れに本章の§766.6(b)の要件を満たす回答書が添付されている場合に、次 官は全ての当事者に意見を述べる機会を与えた後、示された正当な理由に により、欠席したことは無視して、欠席の上で出された命令を無効にする ことができる。そして、次官は本件を行政法審判官に差し戻し更なる手続 きをさせることができる。 (2)期限 本節に基づく請願は、請願書で無効要求をしている当該命令の発効日から 1年以内にされなければならない。 §766.8 「略式裁決」 訴訟手続きが開始された後なら何時でも、当事者当人は幾つかの若しくは全て の係争点を処置する略式裁決を提議できる。行政法審判官は、もし、考慮中の 係争点に関する限り、全証拠から下記の2点が明らかになれば、初期裁決又は 裁決の推奨案を言い渡し、命令の発行若しくは勧告を行うことができる。 (a)重要な事実について真の係争点はなく、 かつ (b)提議した当事者が法律問題としての、略式裁決を受ける資格を有してい ること。 §766.9 「開示」 (a)総論 当事者が、懸案の訴訟手続きの内容に関連するものであって、免責特権のな い全ての問題について、自発的に開示することを奨励する。開示に関連する 民事訴訟連邦規定の条項が本章に矛盾しない範囲内で適用される。但し、行 政法審判官により、若しくは当事者の権利放棄又は合意により、別途規定さ れている場合はこの限りではない。行政法審判官は公正な取扱いが行われる よう、当事者若しくは個人を不快感、当惑、抑圧、或いは不当な負担又は出 費から保護するために必要な命令を出すことができる。これらの命令は、開 示の範囲、方法、時及び場所に関する制限、並びに機密扱いの若しくはその 他要注意の情報の機密性を保護するための条項を含む。 (b)質問状及び承認、若しくは証拠資料の提出要請 当事者当人(A)は他の当事者(B)に、質問状、承認要請、又は閲覧及び複写用 の証拠資料の提出要請を送達することができ、そして当事者当人(A)は行政 法審判官に、当事者(B)が係る開示に関し保証されていると思えるような執 行若しくは保護命令の発令を申し込むことができる。行政法審判官が期間短 縮を明記しない限り、開示要請の送達は聴聞会の指定日の少なくとも20日 前までにされなければならない。当事者当人(A)は、質問状、承認要請及び 証拠資料の提出要請、並びにこれらに対する回答の写しを全ての当事者に送 達しなければならず、又送達証明書の写しを行政法審判官に提出しなければ ならない。承認を要請された事実若しくは法律上の問題は、要請書において 指定された期間内に(少なくとも送達後10日、又は行政法審判官が許可し たような猶予期間内に)要請書が宛てられた当事者が、要請者である当事者 に承認を要請された事柄について具体的に否認するか、或いは要請書を宛て られた当事者が前述の事柄を正しく承認若しくは否認できない理由を詳細に 述べた、宣誓した陳述書を送達しない限り、承認したものと見なされること になる。 (c)証言聴取 当事者当人の申し立てがあり、かつ正当な理由が示された場合には、行政法 審判官は何人であれ証言聴取によりその証言を取り、その際にその者が明言 した証拠又は資料の提出を命ずることができる。申し立て書は証言聴取の目 的を陳述し、証言聴取により確立されることが求められる事実を述べたもの でなければならない。 (d)執行 行政法審判官は当事者当人に命じて、指定された質問に回答させ、指定され た証拠資料又は物件を提出させ、或いは妥当な開示要請に応ずるその他方策 をとらせることができる。もし、当事者当人が係る命令に従わないならば、 行政法審判官は審判官が合理的で適切と思うところの、決定若しくは処分に 関する何らかの命令を提起することができる。審判官は、関係する告発又は 弁明の全部或いは一部を確定し、若しくは前記当事者が答えないか、又は回 答を拒絶した開示要請に関連する個別の事実を、訴訟手続き上、開示要請を した当事者の主張通りに立証されたものとして取り扱うことができる。さら に、米国の地方裁判所による執行については、EAAの12(a)節によるもの とする。 §766.10 「召喚状」 (a)発行 召喚しなければ証拠が得られないと信ずるに足る、しっかりした理由がある ことを充分に立証した上での、当事者からの申し立てがあった場合に、行政 法審判官は、聴聞会のために出席し参考人証言を行い、かつ帳簿、記録又は その他証拠書類若しくは物理的証拠を提出するよう要求する召喚状を発行す る。但し、これらのものは訴訟手続きに関係し、それに大きな影響を与え、 かつその範囲において妥当と審判官が見なすものに限る。 (b)送達 行政法審判官が発行した召喚状は、本章§766.5(b)に述べたいずれかの方法 により送達される。 (c)時期 召喚状申請書は、予定された聴聞会若しくは証言聴取の日の少なくとも10 日前に提出されなければならない。但し、行政法審判官が、提示された正当 な理由に基づき、特別な事情の故に期間短縮が妥当と決定した場合はこの限 りではない。 §766.11 「公開禁止事項」 (a)禁止手段 国家安全保障、外交政策、業務機密、或いは調査中の懸念事項であることか ら極めて慎重を要し、かつ公開を禁止すべき、情報及び証拠資料をBISが 受取り考察することがしばしば必要になる。それ故に、但し行政法審判官が その他適切な別扱いを実施する自由を制限するものではないが、行政法審判 官が開示或いは証拠の採用を制限し、若しくは、審判官の判断では極めて慎 重を要する証拠資料又は情報の不当な公開を防止する目的に沿うような禁止 その他命令を発行することは適切である。行政法審判官が、侵害を避けるた めには極めて慎重を要する事項を含む証拠資料であっても、それを被控訴人 が使えるようにする必要ありと決定した場合には、審判官は機密扱いを受け ない、問題のない当該証拠資料の要約若しくは抜粋をBISに作成するよう 指示する。行政法審判官は、抜粋若しくは要約と元の証拠資料を比較し、そ れが元の証拠資料により裏付けられていること、及びそれは機密又は非公開 扱いに留めるべきものただそれだけを省略したものであることを保証する。 この要約若しくは抜粋は訴訟記録において証拠として認められている。 (b)利用許可のための準備 もし、行政法審判官がこの処置が不充分であり、かつ当事者当人への侵害を 避けんがためには、機密扱い若しくはその他極めて慎重を要する事項が訴訟 記録の一部にならなければならないと決定するならば、審判官は、極めて慎 重を要する情報を脅かすことなく、当事者当人又は代理人が前述の事項を入 手できる許可を与える準備をするための機会を当該当事者に与える。係る準 備には、国家機密に係る人物証明の取得、EAAの§12(c)に基づく国家権 益判定の取得、又は当事者当人に代わる弁護士が、極めて慎重を要する情報、 及び必要ならば禁止命令を含め、これ以上の公開をさせない保証を必要とす る証拠資料、に接近する許可を含む。 §766.12 「聴聞会事前協議」 (a)行政法審判官は、審判官自身の発意で、若しくは当事者当人の要請で、下記 事項について考究するために当事者本人が出向くか或いは電話で、聴聞会事 前協議に当事者が参加するよう指導することができる。 (1)係争点の簡略化 (2)訴答書面に対する修正の必要性又は要望 (3)無用の審理を避けるために、実際の及び証拠資料の規定を取得すること (4)訴訟手続きの決着を促進するようなその他の事項 (b)行政法審判官は、電子的に記録されるか又は記録係によって書き取られた後、 文書化された協議議事録を審判官に提出するよう命ずることができる。 (c)もし、聴聞会事前協議が実行不可能ならば、行政法審判官は係る協議目的を 遂行するために当事者が審判官と文書でやりとりするよう指導することが できる。 (d)行政法審判官は、本節の合意に基づき、若しくは本節に準じ取られた一切の 措置の要約を作成する。この要約には文書化された規定及び当事者間でなさ れた協定を含む。 §766.13 「聴聞会」 (a)日程 行政法審判官は、当事者の合意により、若しくは30日以上前に全当事者へ 通知して、聴聞会の日程を定める。全ての聴聞会はワシントン、D.C.で開催 される。但し、行政法審判官が、提示された正当な理由に基づき、別の場所 の方が公正の利益に資すると決定した場合はこの限りではない。 (b)聴聞会の手順 聴聞会は行政法審判官により公正かつ公明正大な方法で実施される。そして、 もし、審判官が極めて慎重を要する事項の不適切な公開を禁止するために (本章の§766.11参照)それが必要又は望ましいと見なすならば、審判官は 当事者、それらの代理者及び参考人が、公聴会の全て若しくはそれらの一部 に出席することを制限することがある。法廷で広く行われている証拠の原則 は適用されず、行政法審判官が訴訟手続きに関連があり、大きな影響を与え、 かつ過度な繰り返しがないと見なした全ての証拠資料が受理され、適切な重 み付けが与えられる。 (c)証言及び訴訟記録 参考人は宣誓又は無宣誓証言の下に証言する。聴聞会の及びその他全ての 口述手続きの逐語的訴訟記録が、記録係により若しくは電子録音により取ら れ、文書化されて行政法審判官に提出される。被控訴人当人はその記録の 謄本を吟味し、適切な費用を支払ってコピーを取得する。行政法審判官が公 正と見なすような条件で、審判官は、何人であれその証言を、証言聴取によ り取るよう指示でき、そして宣誓供述書若しくは無宣誓証言を証拠として認 めることができる。但し、宣誓供述人若しくは無宣誓証言人が聴聞会で証言 し、反対尋問を受ける必要ありとする根拠に基づく異議申し立てを当事者当 人が提出・送達できるよう、宣誓供述書又は無宣誓証言が聴聞会の十分前に 提出され、当事者に送達されていることを条件とする。 (d)出頭しなかった場合(欠席) もし、当事者当人が、自分で若しくは代わりの弁護士が、予定された聴聞会 に出頭しないとしても、それにも係らず聴聞会は続けられ、前述の当事者の 欠席がその後に行われた聴聞会又は一切の手続き、若しくは措置の有効性に 影響を及ぼすものではない。 §766.14 「裁定の仮審理」 (a)当事者当人から要請があった時、又は審判官自身が自発的に、もし、直ちに 審理すれば問題の最終処理を早め、若しくは容易にすると行政法審判官が決 定すれば、行政法審判官は訴訟を最終的に処理するものではない仮裁定を審 理担当次官に保証することができる。 (b)次官に提出した審理用の仮裁定証明書について、当事者はそれぞれの見解を 述べた弁論趣意書を10日以内に提出・送達し、また2回目の返答を5日以 内に提出・送達する。その後で、次官が問題を迅速に裁決する。 §766.15 「聴聞会なしの処置」 もし、当事者が聴聞会を放棄するならば、その場合には行政法審判官が訴訟記 録に基づき裁決する。聴聞会なしの処置であっても、当事者はそれぞれの問責 若しくは弁明を裏付ける事実を証明する必要性から免れるものではない。 宣誓供述書若しくは無宣誓証言、証言聴取、承認、被告質問書への回答書及び 規定は、証拠書類として訴訟記録に付け加えられる。行政法審判官は、各当事 者に反証証拠を提出する適当な機会を与える。 §766.16 「手続きの規定、期間延長」 (a)手続きの規定 その他特に定めない限り、全ての当事者が合意し、行政法審判官に提出した 文書化した規定により、本章で制定した如何なる手続きも修正される。 (b)期間延長 (1)当事者は、当該期限が切れる前に行政法審判官に提出した規定により、 如何なる有効期限でも延長できる。 (2)行政法審判官は、審判官自身が自発的に、又は当事者から申請があった時 に、どんな有効期限でもその期限切れの前或いは後に、告発状に対する弁 明を提出・送達すべき期間を延長し、或いは本章により必要とされるその 他行為を行うことができる。 (次項へ続く) [改訂来歴] REV1 '03.12.15 §766.9(b)中、20日前に・・・されなけれぱならない。 ぱ→ばに訂正した。 REV2 '08.07.27 §766.16(b)(2)の’送達すべき期間の・・・を延長し’の文 中’の範囲内で期間’を削除し訂正した。