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『夢』 2000.3.06 私の幼い頃見た夢の思い出の内、特に印象の深いものが二つある。 一つは、空中を遊泳するもので平泳が得意であった。地上からすいと飛び上がり自由に 泳ぎ廻るのは極めて爽快である。また、平泳ぎでも地上を駆けるのに比べればはるかに 早い。すいすいと眼下の行列を追い越してゆく。或ときは空中に漂い何ということもな く時を過ごす。夢の中で現実との区別がつかなくなることもある。 もう一つの夢は、空中に投影する大広告である。これは幻灯機の原理を使い雲のスクリ ーンに写出すもののようである。夜空の巨大スクリーンに写出されたものが何であった か忘れてしまった。最近良く見かける色とりどりのレーザビームやこれを使った壁面照 明などを見るとこの夢を思い出す。 これらの夢は寝ている時に見たものだが、何故見たのかを詮索する気はない。 しかし、起きている時に見る夢もある。 青年期の夢は、大発明若くは大発見をして名声を博すことであった。日常の仕事の中で これを実現するのは大変至難の業である。勿論その種がそこにはあったけれど、それを 識別し育てるに充分な能力を持たなかった。 悩みは数年に及んだが、自信もなかったので先ず当面の仕事に最大限の能力を発揮する こととし、先のことは考えないことにした。そうしている内に悩むこともなくなった。 その習慣は今も残っている。 振り返ってみると、嫌な仕事に従事した期間は少なく悔いは殆ど残っていない。だが先 を見ず足元ばかり見てきたので、夢が膨らまず恰も没個性の面白くない人間になったの ではないか、そう見られるのが問題ではなく、そんな生き方がいつのまにか私の活力を 奪っているのではないかと懸念する。 熟年期になって、心を奮い立たせるためにも夢を育みたい。その夢は実現性にこだわる 必要はなく、私の生活をリードする一つの柱となるものであれば良い。併せて夢を見失 わないための努力を続けなければならないと思う。 以上