カテゴリー0−核原料物質、施設及び装置[並びに雑品目]



          B.試験、検査及び生産装置



                          

0B001 ”天然ウラン”及び”劣化ウラン”、”特殊核燃料物質”及び”そ

      の他核燃料物質”の同位元素の分離用プラント、並びにそのために

      特別に設計され若しくは作成された装置及び部分品であって、次の

      もの(リスト規制品目を参照)

[許可要件]

  規制理由:

        規               制  

  0B001に記述する品目は原子力規制委員会の輸出許可権限に属する(10 CFR 

    110章を参照)。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:なし

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:”六ふっ化ウラン耐食材料”は、分離工程の種類によ

      り適宜、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、酸化アルミニウム、ア

      ルミニウム合金、ニッケル又はニッケルの含有量が60パーセント以

      上の合金及び六ふっ化ウラン耐性を有するふっ素処理した炭化水素 

      重合体とする。

  品目:

   a.”天然ウラン”及び”劣化ウラン”、”特殊核燃料物質”及び”その他

    核燃料物質”の同位元素の分離用に特別に設計されたプラントであって、

    次のもの

     a.1.ガス拡散分離プラント;

     a.2.ガス遠心分離プラント;

     a.3.空気力学分離プラント;

     a.4.化学交換分離プラント;

     a.5.イオン交換分離プラント;

     a.6.原子レーザー法同位体分離プラント;

     a.7.分子レーザー法同位体分離プラント;

     a.8.プラズマ分離プラント;

     a.9.電磁分離プラント;

   b.ガス拡散分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及び

    部分品であって、次のもの

     b.1.ベローズ弁であって、直径が40ミリメートルから1500ミリメートル

      までのもののうち、六ふっ化ウラン耐食材料(例えば、アルミニウ

      ム、アルミニウム合金、ニッケル又はニッケルの含有量が60パーセ

      ント以上の合金)から成るもの、若しくはこれにより保護されてい

      るもの;

     b.2.圧縮機又は送風機であって、次のもの

       b.2.a.圧縮機(容積形、遠心流形及び軸流形)又はガス送風機であっ

        て、六ふっ化ウランの吸入量が1立方メートル毎分以上、かつ、

        吐き出し圧力が最大666.7キロパスカルのもののうち、六ふっ

        化ウラン耐食材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、

        ニッケル又はニッケルの含有量が60パーセント以上の合金)か

        ら成るもの、若しくはこれにより保護されているもの;

       b.2.b.0B001.b.2.aに明記された圧縮機又は送風機の回転軸封止であ

        って、緩衝ガスの漏入量率が1,000立方センチメートル毎分未

        満となるように設計されたもの;

     b.3.六ふっ化ウラン耐食性のある、多孔質の金属、重合体又はセラミッ

      ク材料から成るガス拡散隔壁であって、細孔寸法が10から100ナノ

      メートル、厚さが5ミリメートル以下、かつ、外形が管状のものに

      ついては、直径が25ミリメートル以下のもの;

     b.4.六ふっ化ウラン耐食材料から成る、若しくはこれにより保護されて

      いるガス拡散器収納体;

     b.5.アルミニウム、銅、ニッケル、又はニッケルの含有量が60パーセン

      ト以上の合金、若しくはこれらの金属を組合せて被覆した管から成

      る熱交換器であって、流体間の圧力差が100キロパスカルの下で流

      体の漏れによる圧力差の減少を毎時10パスカル未満に制限し、大気

      圧より低い圧力で稼動するように設計されたもの;

   c.ガス遠心分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及び

    部分品であって、次のもの

     c.1.ガス遠心機;

     c.2.複数のローター・チューブ円筒(シリンダー)から構成されるローターの

      組立完成品;

     c.3.厚さ12ミリメートル以下で、直径が75ミリメートル超400ミリメー

      トル未満のローター・チューブ円筒であって、次のいずれかの強度

      対密度(strength-to-density)比の高い材料により製作されたもの

       c.3.a.マルエージング鋼であって、極限引張り強さが2,050メガパス

        カル以上あるもの;

       c.3.b.アルミニウム合金であって、極限引張り強さが460メガパスカ

        ル以上あるもの;  又は

       c.3.c.”繊維又は単繊維材料”であって、比弾性率が 3.18X106メー

        トルを超え、かつ、比引張り強さが 76.2X103メートルを超え

        るもの;

     c.4.振れ止め媒体を取り付けた、六ふっ化ウラン耐食材料(例えば、ア

      ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル又はニッケルの含有量が

      60パーセント以上の合金)から成る外筒内部に浮遊した円環状磁石

      で構成される磁気浮遊軸受であって、その磁石がローターのトップ

      キャップに取り付けられた磁極片又は2番目の磁石と結合されてい

      るもの;

     c.5.振れ止め上に取り付けられたピボット・カップの組立品から構成さ

      れる特別に作成された軸受;

     c.6.壁の厚さが3ミリメートル以下で、直径が75ミリメートル超400ミ

      リメートル未満のリング又はベローズであって、ローター・チュ

      ーブを局所的に支持するため、若しくは多くのロー ター・チュー

      ブを束ねるために特別に作成されたもののうち、次のいずれかの

      強度対密度比の高い材料により製作されたもの

       c.6.a.マルエージング鋼であって、極限引張り強さが2,050メガパス

        カル以上あるもの;

       c.6.b.アルミニウム合金であって、極限引張り強さが460メガパスカ

        ル以上あるもの;  又は

       c.6.c.”繊維又は単繊維材料”であって、比弾性率が 3.18X106メー

        トルを超え、かつ、比引張り強さが 76.2X103メートルを超え

        るもの;

     c.7.ロータ・チューブの内部に取り付けるためのバッフルであって、直

      径が75ミリメートル超400ミリメートル未満のもののうち、次のい

      ずれかの強度対密度比の高い材料により製作されたもの

       c.7.a.マルエージング鋼であって、極限引張り強さが2,050メガパス

        カル以上あるもの;

       c.7.b.アルミニウム合金であって、極限引張り強さが460メガパスカ

        ル以上あるもの;  又は

       c.7.c.”繊維又は単繊維材料”であって、比弾性率が 3.18X106メー

        トルを超え、かつ、比引張り強さが 76.2X103メートルを超え

        るもの;

     c.8.ロータ・チューブの端部に取り付けるためのトップ・キャップ及び

      ボトム・キャップであって、直径が75ミリメートル超400ミリメート

      ル未満のもののうち、次のいずれかの強度対密度比の高い材料によ

      り製作されたもの

       c.8.a.マルエージング鋼であって、極限引張り強さが2,050メガパス

        カル以上あるもの;

       c.8.b.アルミニウム合金であって、極限引張り強さが460メガパスカ

        ル以上あるもの;  又は

       c.8.c.”繊維又は単繊維材料”であって、比弾性率が 3.18X106メー

        トルを超え、かつ、比引張り強さが 76.2X103メートルを超え

        るもの;

     c.9.内部に機械加工されているか、押し出し加工された螺旋状の溝及び

      機械加工された内孔を有する円筒から成る分子ポンプ;

 (訳者注:代表的な寸法は次の通り:内径75ミリメートルから400ミリメートル、

       壁厚10ミリメートル以上、長さと直径の比が1:1 。溝は、断面が長

      方形というのが典型で、深さは2ミリメートル以上である。訳者補

      足に示すJNCホームページより)

     c.10.真空中での同期運転のための多相交流ヒステリシス(又はリラク

       タンス)電動機用の円環状のモーター・ステータ(電動機固定子)

       であって、周波数範囲が600ヘルツから2,000ヘルツまで、かつ、

       出力範囲が50ボルト・アンペアから1,000ボルト・アンペアまでの

       もの;

 (訳者注:シンクロナスリラクタンスモーター(Synchronous Reluctance Motor)とは、回転子に

      磁石を使わないモータである。円筒鉄心の回転子には,複数の空隙

      部があり,磁束の通りやすい直軸方向と通りにくい横軸方向が作ら

      れる。磁気抵抗の変化を利用して回転させるモータである。

      福島県ハイテクプラザ、http://www.fukushima-iri.go.jp/library

      /abstract/14/page/yougo14.html#SEC33より抜粋)

     c.11.ガス遠心分離濃縮のためにモーター・ステータに供給するように 

       特別に設計され若しくは作成された周波数変換器(コンバータ又

       はインバータ)であって、次の全ての特性を有するもの、並びに

       そのために特別に設計された部分品

       c.11.a.600ヘルツから2000ヘルツまでの多相出力のもの;

       c.11.b.出力周波数の精度が±0.1パーセントより良いもの;

       c.11.c.出力電圧の高調波歪率が2パーセント未満のもの; 及び

       c.11.d.効率が80パーセントを超えるもの;

     c.12.ガス遠心分離機のローター・チューブ組立品を収納する遠心分離

       機収納体若しくは容器であって、壁厚が30ミリメートル以下の両

       端が精密加工された剛体円筒で構成されるもののうち、六ふっ化

       ウラン耐食材料から成る、若しくはこれにより保護されている

       もの;

     c.13.ピトー管の動作原理を用いて遠心分離機ローター・チューブ内か

       ら六ふっ化ウランガスを抽出する、内径12ミリメートル以下の管

       から成る柄杓であって、六ふっ化ウラン耐食材料から成る、若し

       くはこれにより保護されているもの;

 (訳者注:c.12における’精密加工’は円筒の両端に取り付ける軸受けの平行

      度を保ち、設置するローター・チューブが円筒の中心軸からずれな

      いようにするためである。c.13におけるピトー管は2重になった管

            からなり、内側の管は先端部分に、外側の管は側面にそれぞれ穴が

      明いている。2種類の穴にかかる圧力差から流速を測定するもので

      あるが、ここではこの圧力差を利用してローター中心部のガスを抽

      出する。訳者補足の品目説明を参照)

   d.空気力学分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及び

    部分品であって、次のもの

     d.1.細長い切れ目を入れた、曲率半径1ミリメートル未満の曲線状のチ

      ャネルから成る分離ノズルであって、ノズルを通過するガスを2つ

      の流れに分離させるナイフエッジをノズル内に有するもの;

     d.2.流線の接線方向に入口を設けた円筒状若しくは円錐状の管(ボルテ

      ックス・チューブ)であって、六ふっ化ウラン耐食材料から成る、

      若しくはこれにより保護されているもののうち、直径が0.5センチ

      メートル超4センチメートル未満で、長さ対直径の比が20:1以下、

      かつ、複数の接線方向の入口を有するもの;

     d.3.圧縮機(容積形、遠心流形及び軸流形)又はガス送風機であって、

      六ふっ化ウランの吸入量が2立方メートル毎分以上のもののうち、

      六ふっ化ウラン耐食材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合

      金、ニッケル又はニッケルの含有量が60パーセント以上の合金)か

      ら成るもの、若しくはこれにより保護されているもの、並びにその

      ための回転軸封止;

     d.4.ボルテックス・チューブ又は分離ノズルを収納するための、空気力

      学分離要素収納体であって、六ふっ化ウラン耐食材料から成る、若

      しくはこれにより保護されているもの;

     d.5.アルミニウム、銅、ニッケル、又はニッケルの含有量が60パーセン

      ト以上の合金、若しくはこれらの金属を組合せて被覆した管から成

      る熱交換器であって、600キロパスカル以下の圧力で稼動するよう

      に設計されたもの;

     d.6.ベローズ弁であって、直径が40ミリメートルから1500ミリメートル

      までのもののうち、六ふっ化ウラン耐食材料から成るもの、若しく

      はこれにより保護されているもの;

     d.7.キャリアーガス(水素又はヘリウム)中の六ふっ化ウラン含有量が

      1ppm(全重量の0.0001パーセント)以下になるまで六ふっ化ウラ

       ンを分離するプロセスシステムであって、次のものを含む

       d.7.a.零下120℃以下の温度で使用できる低温熱交換器及び冷凍(・

        液化)分離機;

       d.7.b.零下120℃以下の温度で使用できる極低温冷凍装置;

       d.7.c.キャリアーガスから六ふっ化ウランを分離するための、分離ノ

        ズル又はボルテックス・チューブ ユニット;

       d.7.d.零下20℃以下の温度で使用できる六ふっ化ウランのコールドト

        ラップ;

 (訳者注:コールドトラプとは、真空容器と真空ポンプの間に設置し、被処理

      物から発生し真空ポンプのトラブルの元となる水分、各種溶剤等を

      冷却部で捕捉し、真空ポンプを保護するもの)

   e.化学交換分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及び

    部分品であって、次のもの

     e.1.液−液高速交換用の遠心分離型接触器であって、ステージ滞留時間

      (反応物がそのステージ内に留まる時間)が30秒以下で、かつ、濃

      塩酸耐食性を有するもの(例えば、フルオロカーボン重合体のよう

      な適切なプラスチック材料で作成され、若しくは裏打ちされたもの、

      又はガラスで裏打ちされたもの);

     e.2.液−液高速交換用の機械的入力利用カラムであって、ステージ滞留

      時間(反応物がそのステージ内に留まる時間)が30秒以下で、かつ、

      濃塩酸耐食性を有するもの(例えば、フルオロカーボン重合体のよ

      うな適切なプラスチック材料で作成され、若しくは裏打ちされたも

      の、又はガラスで裏打ちされたもの);

     e.3.ウランに電子を授与し、或る原子価状態から別の状態に遷移させて

      ウランを還元するように設計された電気化学的還元セル;

     e.4.有機化合物の流れから4価ウランを取り出すために電気化学的還元

      セルへ原料を供給する装置、並びに前記流れに接触するそれらの部

      品であって、適切な材料(例えば、ガラス、フルオロカーボン重合

      体、ポリフェニル・硫酸エステル、ポリエーテル・スルホン及び樹

      脂を含浸した黒鉛)で作成され、若しくは保護されたもの;

     e.5.高純度塩化ウラン溶液を生産するための装入原料処理システムであ

      って、純度を高めるための溶解、溶媒抽出 及び/又はイオン交換

      装置と6価ウラン又は4価ウランを3価ウランに還元するための電

      気化学的セルから成るもの;

     e.6.3価ウランを4価ウランに酸化するためのウラン酸化システム;

 (訳者注:e.6のシステムは、化学交換ウラン濃縮処理におけるウラン同位元

      素分離カスケードに戻すためのもの。なお、e.1〜6について、訳者

      補足の品目説明を参照)

   f.イオン交換分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及

    び部分品であって、次のもの

     f.1.高速反応イオン交換樹脂であって、薄膜の若しくは多孔質巨大網状

      の樹脂から成るもののうち、活性な化学交換基は不活性な多孔質支

      持構造の表面のコーティングに限定されたもの、並びに粒子又は繊

      維を含む適切な形状のその他の複合構造体から成るもの。なお、本

      樹脂は直径が0.2ミリメートル以下、濃塩酸耐食性を有し、かつ、

      交換率半減時間が10秒未満で、100℃から200℃の温度範囲で使用で

      きるもの;

     f.2.イオン交換塔(円筒状)であって、直径が1,000ミリメートルを超

      えるもののうち、濃塩酸耐食性を有する材料(例えば、チタニウム、

      フルオロカーボンプラスチック)で作成され、若しくは保護された

      もので、かつ、温度範囲が100℃から200℃、圧力が0.7メガパスカ

      ル超の状態で使用できるもの;

     f.3.イオン交換還流システム(化学的若しくは電気化学的酸化又は還元

      システム)であって、イオン交換式濃縮カスケードに使用される化

      学的な還元剤又は酸化剤の再生に用いるもの;

 (訳者注:f.1〜3について、訳者補足の品目説明を参照)

   g.原子レーザー法同位体分離工程のために特別に設計され若しくは作成さ

    れた装置及び部分品であって、次のもの

     g.1.ウランの気化システムに使用する、総出力が50キロワットを超える

      高出力電子ビーム銃であって、帯状若しくは走査型の電子ビーム銃

      のうち、目標上の放出電力が2.5キロワット毎センチメートルを超

      えるもの;

     g.2.トラフ形状のるつぼ及び冷却装置であって、溶融ウラニウム若しく

      はウラニウム合金の熱及び腐食に対する耐性を有する材料(例えば、

      タンタル、イットリア被覆の黒鉛、その他の希土類酸化物又はそれ

      らの混合物で被覆した黒鉛)により作成され若しくは保護された

      もの;

    注意:併せて2A225も参照のこと。

     g.3.生成物及び残りの収集機システムであって、例えば、イットリア被

      覆の黒鉛又はタンタルなどの、ウラニウム蒸気の熱及び腐食に対す

      る耐性を有する材料から作成され若しくは裏打ちされたもの;

     g.4.分離機モジュールの収納体(円筒状又は矩形状の容器)であって、

      ウラニウム金属蒸気の発生源、電子ビーム銃、及び生成物と残りの

      収集機を収納するためのもの;

 (訳者注:10 CFR part 110のAppendix Fで、本分離工程において反応した化

      合物はproductとして、また影響を受けない材料はtailsとして収集

      するとある。そこで、前者を’生成物’後者を’残り’と訳した。

      訳者補足No.2のJNCホームページでは、これらを’製品分’及び

      ’減損分’としている)

     g.5.ウラン同位元素分離用の、複数若しくは単数の”レーザー発振器”

      システムであって、長期間に渡り稼動するためのスペクトル周波数

      安定器を有するもの;

    注意:併せて6A005及び6A205も参照のこと。

   h.分子レーザー法同位体分離工程のために特別に設計され若しくは作成さ

    れた装置及び部分品であって、次のもの

     h.1.六ふっ化ウランの混合物及びキャリアーガスを絶対温度150度以下

      まで冷却するための超音速膨張ノズルであって、六ふっ化ウラン耐

      食材料から成るもの;

     h.2.ふっ化ウラン(UF5)生成物の収集機であって、フィルター、衝撃、

      或いはサイクロン 型の収集機若しくはそれらの組合せから成るも

      ののうち、五/六ふっ化ウラン耐食材料(例えば、アルミニウム、

      アルミニウム合金、ニッケル又はニッケルの含有量が60パーセント

      以上の合金、及び六ふっ化ウラン耐性の表面完全ふっ化済み炭化水

      素重合体)により作られたもの;

     h.3.五ふっ化ウランを六ふっ化ウランにふっ化させるための装置;

     h.4.圧縮機であって、六ふっ化ウラン耐食材料(例えば、アルミニウム、

            アルミニウム合金、ニッケル又はニッケルの含有量が60パーセント

            以上の合金)から成るもの、若しくはこれにより保護されているも

            の、並びにそのための回転軸封止;

     h.5.キャリアーガス(例えば、窒素又はアルゴン)中の六ふっ化ウラン

      を分離するプロセスシステムであって、次のものを含む

       h.5.a.零下120℃以下の温度で使用できる低温熱交換器及び冷凍(・

        液化)分離機;

       h.5.b.零下120℃以下の温度で使用できる極低温冷凍装置;

       h.5.c.零下20℃以下の温度で使用できる六ふっ化ウランのコールドト

        ラップ;

     h.6.ウラン同位元素分離用の、複数若しくは単数の”レーザー発振器”

      システムであって、長期間に渡り稼動するためのスペクトル周波数

      安定器を有するもの;

    注意:併せて6A005及び6A205も参照のこと。

   i.プラズマ分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及び

        部分品であって、次のもの

     i.1.生成物及び残りの収集機であって、例えば、イットリア被覆の黒鉛

            又はタンタルなどの、ウラニウム蒸気の熱及び腐食に対する耐性を

      有する材料により作成され若しくは保護されたもの;

     i.2.100キロヘルツを超える周波数用の無線周波数励起コイルであって、

      40キロワット超の平均電力を取扱えるもの;

     i.3.イオンを取り出し又は加速するためのマイクロ波電力源及びアンテ

      ナであって、30ギガヘルツ超の出力周波数及び50キロワット超の平

      均出力を有するもの;

     i.4.ウラニウムのプラズマ生成システム;

     i.5.液状の金属ウランを取扱うシステムであって、適切な耐食性及び耐

      熱性を有する材料(例えば、タンタル、イットリア被覆の黒鉛、そ

      の他の希土類酸化物又はそれらの混合物で被覆した黒鉛)により作

      成され若しくは保護されたろつぼ、並びにそのるつぼのための冷却

      装置から成るもの;

    注意:併せて2A225も参照のこと。

     i.6.分離機モジュールの収納体(円筒状)であって、ウラニウムプラズ

      マの発生源、無線周波数で駆動するコイル、及び生成物と残りの収

      集機で、適切な非磁性材料(例えば、ステンレス鋼)により作成さ

      れたものを収納するためのもの;

   j.電磁分離工程のために特別に設計され若しくは作成された装置及び部分

    品であって、次のもの

     j.1.単一又は複数のイオン源であって、適切な材料(例えば、黒鉛、ス

      テンレス鋼、又は銅)により作成された蒸気源、イオン化装置、及

      びビーム加速器から成るもののうち、総計50ミリアンペア以上のイ

      オンビーム電流を供給できるもの;

     j.2.濃縮若しくは劣化ウランのイオンビーム収集のためのイオン収集板

      であって、複数のスリット及びポケットから成るもののうち、適切

      な非磁性材料(例えば、黒鉛又はステンレス鋼)により作成された

      もの;

     j.3.非磁性材料(例えば、黒鉛又はステンレス鋼)により作成された、

      ウラン電磁分離機用の真空筐体であって、0.1パスカル以下の圧力

      で稼動するように設計されたもの;

     j.4.磁石の磁極片であって、直径が2メートルを超えるもの;

     j.5.イオン源用の高電圧電源装置であって、次の全ての特性を有する

      もの

       j.5.a.連続動作可能なもの;

       j.5.b.出力電圧が20,000ボルト以上のもの;

       j.5.c.出力電流が1アンペア以上のもの;

       j.5.d.電圧変動率が8時間に渡って0.01パーセント未満のもの;

    注意:併せて3A227も参照のこと。

     j.6.磁石用の電源装置(高出力、直流)であって、次の全ての特性を有

      するもの

       j.6.a.100ボルト以上の電圧で出力電流が500アンペア以上の連続動作

        可能なもの;

       j.6.b.電流又は電圧の変動率が8時間に渡って0.01パーセント未満の

        もの。

    注意:併せて3A226も参照のこと。



0B002 0B001に明記された同位元素分離プラントのために、特別に設計さ

      れ若しくは作成された補助システム、装置及び部分品であって、

      六ふっ化ウラン耐食材料から成り、又はこれにより保護されている

      もののうち、次のもの(リスト規制品目を参照)

[許可要件]

  規制理由:

        規               制  

  0B002に記述する品目は原子力規制委員会の輸出許可権限に属する(10 CFR 

    110章を参照)。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:なし

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:なし

  品目:

   a.六ふっ化ウランを濃縮工程に渡すために使用される、原料供給用のオー

    トクレーブ(加圧釜)、オーブン(炉)又はシステム;

   b.濃縮工程から六ふっ化ウランを除去するために使われる、分離昇華器又

    はコールドトラップであって、加熱と同時に次の容器に転送するための

    もの;

   c.六ふっ化ウランを容器に転送するために使用される、生成物及び残りの

    回収’場’(station);

   d.六ふっ化ウランを圧縮して液体又は固体に転換させることにより、濃縮

    工程から六ふっ化ウランを除去するために使われる、液化若しくは固化

    ’場’(station);

   e.ガス拡散分離、遠心分離又は空気力学分離カスケード内で六ふっ化ウラ

    ンを取扱うために特別に設計された、配管システム及び多岐管システム

    であって、六ふっ化ウラン耐食材料から成り、又はこれにより保護され

    ているもの;

   f.真空システムであって、次のもの

     f.1.真空マニホルド又は真空多岐管であって、吸込み能力が5立方メー

      トル毎分以上のもの;  又は

     f.2.六ふっ化ウランの特徴を帯びた雰囲気中で使えるように特別に設計

      された真空ポンプ;

   g.六ふっ化ウラン用の質量分析計又はそのイオン源であって、六ふっ化ウ

    ランガスの流れの中から供給原料、生成物又は残りのオンライン試料を

    採取し、分析するために特別に設計され若しくは作成されたもののうち、

    次の全ての特性を有するもの

     g.1.質量の分解能が320 amuを超えるもの;

 (訳者注:amuは原子質量単位であって、質量数12の炭素の同位体12Cの原子

      1個の12分の1の質量を言う。1amu=1.6605X10-27Kg )

     g.2.イオン源であって、ニクロム若しくはモネルメタルで構成され若し

      くは裏打ちされたもの、又はニッケルで被覆されたもの;

     g.3.電子衝撃イオン化源を有するもの;

 (訳者注:分析される物質に電子を衝突させてイオン化するイオン源を有する

      もの;輸出令2項<解釈>より)

     g.4.同位体分析に適切な収集機システムを有するもの。



0B003 ウラニウムの転換用プラント及びそのために特別に設計され若しく

      は作成された装置であって、次のもの(リスト規制品目を参照)

[許可要件]

  規制理由:

        規               制  

  0B003に記述する品目は原子力規制委員会の輸出許可権限に属する(10 CFR 

    110章を参照)。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:なし

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:なし

  品目:

   a.ウラン鉱石の精鉱から三酸化ウランへの転換用システム;

   b.三酸化ウランから六ふっ化ウランへの転換用システム;

   c.三酸化ウランからニ酸化ウランへの転換用システム;

   d.二酸化ウランから四ふっ化ウランへの転換用システム;

   e.四ふっ化ウランから六ふっ化ウランへの転換用システム;

   f.四ふっ化ウランから金属ウランへの転換用システム;

   g.六ふっ化ウランからニ酸化ウランへの転換用システム;

   h.六ふっ化ウランから四ふっ化ウランへの転換用システム;

   i.ニ酸化ウランから四塩化ウランへの転換用システム。

 (訳者注:各転換用システムの概要について、文部科学省の「原子力・放射線

      の安全確保ホームページ」(保障措置)からH11.12.16交付、条約

      第17号の附属書U7項を参照(http://www.anzenkakuho.mext.go.

      jp/lawlist/pdf/h111216_17.pdf))



0B004 重水、重水素又は重水素化合物の生産用プラント並びにそのために

      特別に設計され若しくは作成された装置及び部分品であって、次の

      もの(リスト規制品目を参照)

[許可要件]

  規制理由:

        規               制  

  0B004に記述する品目は原子力規制委員会の輸出許可権限に属する(10 CFR 

    110章を参照)。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:なし

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:なし

  品目:

   a.重水、重水素又は重水素化合物の生産用プラントであって、次のもの

     a.1.硫化水素-水 交換プラント;

     a.2.アンモニア-水素 交換プラント;

     a.3.水素蒸留プラント;

   b.次のいずれかに該当するもののために設計された装置及び部分品

     b.1.硫化水素-水 交換プロセス用であって、次のもの

       b.1.a.棚段式交換塔(tray exchange towers);

       b.1.b.硫化水素ガス圧縮機;

     b.2.アンモニア-水素 交換プロセス用であって、次のもの

       b.2.a.高圧 アンモニア-水素交換塔;

       b.2.b.高効率 段接触器;

       b.2.c.段内の液体循環用の浸漬ポンプ;

       b.2.d.3メガパスカルを超える圧力で運転できるように設計された

        アンモニア熱分解器(ammonia crackers);

     b.3.水素蒸留プロセス用であって、次のもの

       b.3.a.低温で用いられる水素の蒸留塔及び保冷器であって、絶対温度

        35度(-238℃)以下で動作できるように設計されたもの;

       b.3.b.ターボエクスパンダー又はターボエクスパンダー・コンプレッ

        サーセットであって、絶対温度35度(-238℃)以下で動作できる

        ように設計されたもの;

     b.4.原子炉級の重水(即ち、重量比で99.75パーセントの酸化重水素)を

      生産するための重水濃縮プロセス用であって、次のもの

       b.4.a.特別に設計された充填物を含む水蒸留塔;

       b.4.b.特別に設計された充填物を含むアンモニア蒸留塔;

       b.4.c.充分に濃縮された重水素を重水に転換するための触媒燃焼器;

       b.4.d.重水素濃度が重量比で90パーセント以上の箇所において、オン

        ラインで水素対重水素の比率を分析可能な赤外吸収分析器。



0B005 原子炉燃料要素の製造のために特別に設計されたプラント及びその

      ために特別に設計された装置

[許可要件]

  規制理由:

        規               制  

  0B005に記述する品目は原子力規制委員会の輸出許可権限に属する(10 CFR 

    110章を参照)。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:なし

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:原子炉燃料要素の製造用プラントには次のものを

        含める。

      (a)通常、核原料物質の生産フローと直接接触するか、又はそれを直接処

        理或いは制御 する機器; 

      (b)被覆内に核原料物質を密閉(封止)する機器; 

      (c)被覆や封止の健全性を点検する機器;  及び

      (d)固体燃料の仕上げ処理を点検する機器。

  品目:

    リスト規制品目はECCNの頭書に同じ。



0B006 照射済原子炉燃料要素の再処理用プラント、及びそのために特別に

      設計され若しくは作成された装置及び部分品であって、次のものを

      含む(リスト規制品目を参照)

 (訳者注:照射済(irradiated)は使用済みと同義語。また、照射済の方が未照

      射のものより核兵器に移転するのが困難。訳者補足参照)

[許可要件]

  規制理由:

        規               制  

  0B006に記述する品目は原子力規制委員会の輸出許可権限に属する(10 CFR 

    110章を参照)。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:なし

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:なし

  品目:

   a.燃料要素を切り刻み又は細断する機械、即ち、照射済原子炉燃料の集合

    体、束(バンドル)又は棒(ロッド) を切断し、切り刻み、細断し若しく

    は剪断するための遠隔操作装置;

   b.照射済原子炉燃料を溶解するために特別に設計され若しくは作成された

    溶解槽、臨界安全槽(例えば、小径、環状又は厚板の槽)であって、高

    温で高い腐食性溶液に対する耐久性を有し、かつ、遠隔装荷・保守が可

    能なもの;

   c.照射済”天然ウラン””劣化ウラン”又は”特殊核燃料物質”及び”そ

    の他核燃料物質”の再処理プラントでの使用のために特別に設計され若

    しくは作成された向流する溶媒の抽出器及びイオン交換処理装置;

   d.照射済”天然ウラン””劣化ウラン”又は”特殊核燃料物質”及び”そ

    の他核燃料物質”の再処理工程を監視又は制御するために特別に設計さ

    れ若しくは作成されたプロセス制御器具類;

   e.一時保管又は貯蔵のための容器であって、臨界安全性及び硝酸耐食性を

    有するように特別に設計されたもの;

[注]:臨界安全槽は次のような特徴を有する。

    1.最低2パーセント相当のほう素を含有する壁或いは内部構造物;

    2.円筒容器の場合、最大直径175ミリメートル;

    3.厚板槽或いは環状容器の場合、最大幅75ミリメートル。

   f.硝酸プルトニウムから酸化プルトニウムへの転換のために特別に設計さ

    れ若しくは作成された全体システム;

   g.金属プルトニウムの生産のために特別に設計され若しくは作成された全

    体システム。

[注]:照射済原子炉燃料要素の再処理用プラントには、通常、照射済燃料及び

        主要核原料物質及び核分裂生成物の処理フローに直接接触し、かつ、それ

    を直接制御する装置及び部分品を含む。



0B986 散弾銃用弾丸製造のために特別に設計された装置、並びに薬包及び

      散弾銃用弾丸の両方に使用できる弾薬手動装填装置

[許可要件]

  規制理由:AT,UN

        規               制                           カントリチャート

     ATは全ての記載品目に適用される。許可証は規制理由テロ防止のために

      本項目により規制される北朝鮮向け品目について要求される。通商

      カントリーリチヤートは、本項目に対するAT許可要件を決定でき

      るようになっていない。付加情報についてEARの§742.19を参照

      のこと。

     UNは全ての記載品目に適用される。許可証は本項目により規制されるイ

      ラク、北朝鮮、及びルワンダ向け品目について要求される。通商カ

      ントリーリチヤートは、本項目に対する許可要件を決定できるよう

      になっていない。付加情報についてEARの746章を参照のこと。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:ドル建てとする。

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:なし

  品目:

    リスト規制品目はECCNの頭書に同じ。



0B999 特定の処理装置であって、次のもの(リスト規制品目を参照)

[許可要件]

  規制理由:AT,RS

        規               制                           カントリチャート

     ATは全ての記載品目に適用される。許可証は規制理由テロ防止のために

      本項目により規制される北朝鮮向け品目について要求される。通商

      カントリーリチヤートは、本項目に対するAT許可要件を決定でき

      るようになっていない。付加情報についてEARの§742.19を参照

      のこと。

     RSは全ての記載品目に適用される。許可証は規制理由地域の安定のため

      に、本項目により規制される品目のイラク向け輸出若しくは再輸出、

      又はイラク国内における移転について要求される。通商カントリー

      チヤートは、本項目に対するRS許可要件を決定できるようになっ

      ていない。付加情報についてEARの§742.6及び§746.3を参照の

      こと。

[許可例外]   

  LVS:適用不可

  GBS:適用不可

  CIV:適用不可

[リスト規制品目]

  単位:ドル建てとする。

  関連する規制:なし

  関連する用語の定義:なし

  品目:      

   a.ホットセル;

 (訳者注:ホットセルとは、高放射性物質を扱うための実験室の遮蔽された区

      画をいう)

   b.放射性物質の取扱いに適切なグローブボックス。

 (訳者注:グローブボックスとは、放射性物質、有毒物質の取扱いに用いるゴ

      ム手袋の装備された箱をいう)





[訳者補足]

 1.0B001.b.2の項目

   本文では.b.2の項目がなく、いきなりb.2.a/b項目が示されている。しか

   し、訳文ではその他項目の表記方法に合せるため、訳者が仮に.b.2項目を

   追加し体裁を整えた。

 2.0B001の原子炉及びその他関連機器の訳について

   JNCホームページ(下記URL)から、ロンドンガイドラインパートTの

   「添付書B、トリガー・リスト品目の説明」を参照した。

      (http://www.jaea.go.jp/jnc/kaihatu/hukaku/database/5/3/5-j.html)

 3.0B001.c.12/13の品目説明

   10 CFR part 110のAppendix B(ガス遠心分離機関連)より抜粋。

   (Illustrative List of Gas Centrifuge Enrichment Plant Components 

      Under NRC's Export Licensing Authority)

  (1)遠心分離機の収納体/容器:

    Components especially designed or prepared to contain the rotor 

    tube assembly of a gas centrifuge. The housing consists of a 

       rigid cylinder of wall thickness up to 30 mm (1.2in) with 

       precision machined ends to locate the bearings and with one or 

       more flanges for mounting. The machined ends are parallel to 

       each other and perpendicular to the cylinder's longitudinal axis

       to within 0.05 degrees or less. The housing may also be a 

       honeycomb type structure to accommodate several rotor tubes. 

       The housings are made of or protected by materials resistant to 

       corrosion by UF6.

  (2)柄杓: 

       Especially designed or prepared tubes of up to 12 mm (0.5in) 

    internal diameter for the extraction of UF6 gas from within the 

       rotor tube by a Pitot tube action (that is, with an aperture 

       facing into the circumferential gas flow within the rotor tube,

       for example by bending the end of a radially disposed tube) and 

       capable of being fixed to the central gas extraction system. 

       The tubes are made of or protected by materials resistant to 

       corrosion by UF6.

 4.0B001.d.1/2/7の品目説明

   10 CFR part 110のAppendix D(空気力学分離機関連)より抜粋。

   (Illustrative List of Aerodynamic Enrichment Plant Equipment and 

    Components Under NRC Export Licensing Authority)

  (1)分離ノズル及び組立品:

    Especially designed or prepared nozzles that consist of 

       slit-shaped, curved channels having a radius of curvature less 

       than 1 mm (typically 0.1 to 0.05 mm). 

       The nozzles are resistant to UF6 corrosion and have a knife-edge

       within the nozzle that separates the gas flowing through the 

       nozzle into two fractions.

  (2)ボルテックス・チューブ及び組立品:

    Especially designed or prepared vortex tubes that are cylindrical

       or tapered, made of or protected by materials resistant to UF6 

       corrosion, have a diameter of between 0.5 cm and 4 cm, a length

       to diameter ratio of 20:1 or less and with one or more tangential 

       inlets. The tubes may be equipped with nozzle-type appendages at

       either or both ends.

       The feed gas enters the vortex tube tangentially at one end or 

       through swirl vanes or at numerous tangential positions along the 

       periphery of the tube.

 (訳者注:上記の如くvortex tubeは六ふっ化ウラン耐食材料から成る管であ

      って、流体力学で言う仮想の渦管ではない。そして本文のd.4から

      分離ノズルと同様の機能を有することが推定される)

  (3)六ふっ化ウランとキャリアーガスの分離システム:

       Especially designed or prepared process systems for separating 

       UF6 from carrier gas (hydrogen or helium).

       These systems are designed to reduce the UF6 content in the 

       carrier gas to 1 ppm or less and may incorporate equipment such 

       as:

       (i)Cryogenic heat exchangers and cryoseparators capable of

          temperatures of -120oC or less;

       (ii)Cryogenic refrigeration units capable of temperatures of

           -120oC or less;

       (iii)Separation nozzle or vortex tube units for the separation of

            UF6 from carrier gas; or

       (iv)UF6 cold traps capable of temperatures of -20oC or less.

 5.0B001.e.1〜6の品目説明(化学交換分離機関連)

   10 CFR part 110のAppendix E(化学交換/イオン交換分離機関連)より。

   (Illustrative List of Chemical Exchange or Ion Exchange Enrichment

       Plant Equipment and Components Under NRC Export Licensing Authority)

  (1)液−液交換用の遠心分離型接触器

       Especially designed or prepared for uranium enrichment using the

       chemical exchange process.

       These contactors use rotation to achieve dispersion of the 

       organic and aqueous streams and then centrifugal force to 

       separate the phases. 

       For corrosion resistance to concentrated hydrochloric acid 

       solutions, the contactors are made of or are lined with suitable 

       plastic materials (such as fluorocarbon polymers) or are lined 

       with glass. The stage residence time of the centrifugal 

       contactors is designed to be short (30 seconds or less).

 (訳者注:下記の参考資料から、化学交換分離法では塩酸ウラン溶液を使用す

      る。この酸に溶解したウランは、溶媒抽出法で有機溶媒中に再抽出

      され濃度が高められる(と思う)。そして上記の如く、前記溶液を

      入れた接触器を回転させて、有機化合物と水から成る流れを分散さ

      せ、遠心力によりウラン同位体の質量差による層分離を行なうもの

      と考える)

  (2)液−液交換用の機械的入力利用カラム

       Countercurrent liquid-liquid exchange columns having mechanical 

       power input (i.e.,pulsed columns with sieve plates, reciprocating

       plate columns, and columns with internal turbine mixers), 

       especially designed or prepared for uranium enrichment using the 

       chemical exchange process.

       For corrosion resistance to concentrated hydrochloric acid 

       solutions,these columns and their internals are made of or 

       protected by suitable plastic materials (such as fluorocarbon

       polymers) or glass. The stage residence time of the columns is 

       designed to be short (30 seconds or less).

 (訳者注:機械的入力を用いた向流交換カラムであって、篩板付き脈動カラム、

      往復動板カラム、及び内部にタービン混合機を有するカラムから成

      るもの。このカラムとは反応塔を言うものと思う)

  (3)ウラン還元システム及び装置

   (i)電気化学的還元セル

     Especially designed or prepared electrochemical reduction cells

     to reduce uranium from one valence state to another for uranium

         enrichment using the chemical exchange process. 

         The cell materials in contact with process solutions must be 

         corrosion resistant to concentrated hydrochloric acid solutions.

     −以下省略−

 (訳者注:これは電気化学的還元セルで電子を与え、塩酸ウランを還元するこ

      とによりウラン濃縮を行なう化学交換分離法だと思う)

   (ii)電気化学的還元セルの供給装置

         Especially designed or prepared systems at the product end of 

     the cascade for taking the U+4 out of the organic stream, 

     adjusting the acid concentration and feeding to the 

         electrochemical reduction cells.

     These systems consist of solvent extraction equipment for 

         stripping the U+4 from the organic stream into an aqueous 

     solution, evaporation and/or other equipment to accomplish

     solution pH adjustment and control, and pumps or other transfer

         devices for feeding to the electrochemical reduction cells.

     −以下省略−

 (訳者注:これはカスケード生産ラインの最終段に位置するシステムであって、

      有機化合物の流れから4価ウランを取り出し、酸の濃度を調節し、

      及び、電気化学的還元セルへ原料を供給するものである。具体的に

      は、有機化合物の流れから4価ウランを水の中に抽出する装置、溶

      液のpHを調節及び制御する装置、及び原料を電気化学的還元セルへ

      供給するためのポンプ又はその他の転送機器から成る)

  (4)装入原料処理システム

       Especially designed or prepared systems for producing high-purity

       uranium chloride feed solutions for chemical exchange uranium 

       isotope separation plants.

       These systems consist of dissolution, solvent extraction and/or 

       ion exchange equipment for purification and electrolytic cells 

       for reducing the uranium U+6 or U+4 to U+3.

     −以下省略−

 (訳者注:これは化学交換式ウラン同位元素分離プラント用のシステムであっ

      て、高純度塩化ウラン原料溶液を生産するためのものである。具体

      的には、純度を高めるための溶解、溶媒 抽出及び/又はイオン交

      換 装置と6価ウラン又は4価ウランを3価ウランに還元するため

      の電気化学的セルから成る)

  (5)ウラン酸化システム

       Especially designed or prepared systems for oxidation of U+3 to

       U+4 for return to the uranium isotope separation cascade in the 

       chemical exchange enrichment process.

     −以下省略−

 (訳者注:これは3価ウランを4価ウランに酸化するためのウラン酸化システ

      ムであって、化学交換ウラン濃縮処理におけるウラン同位元素分離

      カスケードに戻すためのもの)

 6.0B001.f.1〜3の品目説明(イオン交換分離機関連)

  (1)高速反応イオン交換樹脂/吸収剤

       Especially designed or prepared for uranium enrichment using the

       ion exchange process, including porous macroreticular resins, 

       and/or pellicular structures in which the active chemical 

       exchange groups are limited to a coating on the surface of an 

       inactive porous support structure, and other composite structures

       in any suitable form including particles or fibers.

       These ion exchange resins/adsorbents have diameters of 0.2 mm or 

       less and must be chemically resistant to concentrated hydrochloric

       acid solutions as well as physically strong enough so as not to 

       degrade in the exchange columns.

       The resins/adsorbents are especially designed to achieve very 

       fast uranium isotope exchange kinetics (exchange rate half-time 

       of less than 10 seconds) and are capable of operating at a 

       temperature in the range of 100oC to 200oC.

 (訳者注:下記の参考資料から、イオン交換法は化学的に酸化・還元時のウラ

      ン235/238の反応差を利用したウラン濃縮法である。本項の

      高速反応イオン交換樹脂は多孔質の巨大網状樹脂、及び/又は薄膜

      構造体であって、活性な化学交換基は不活性な多孔質支持構造の表

      面のコーティングに限定されたもの、並びに粒子又は繊維を含む適

      切な形状のその他の複合構造体から成る)

  (2)イオン交換塔

       Cylindrical columns greater than 1000 mm in diameter for 

       containing and supporting packed beds of ion exchange resin/

       adsorbent, especially designed or prepared for uranium enrichment

       using the ion exchange process. 

       These columns are made of or protected by materials (such as 

       titanium or fluorocarbon plastics) resistant to corrosion by 

       concentrated hydrochloric acid solutions and are capable of 

       operating at a temperature in the range of 100oC to 200oC and 

       pressures above 0.7 MPa (102 psia).

  (3)イオン交換還流システム

    (a)Especially designed or prepared chemical or electrochemical 

        reduction systems for regeneration of the chemical reducing 

        agent(s) used in ion exchange uranium enrichment cascades.

        The ion exchange enrichment process may use, for example, 

        trivalent titanium (Ti+3) as a reducing cation in which case the

        reduction system would regenerate Ti+3 by reducing Ti+4.

    (b)Especially designed or prepared chemical or electrochemical 

        oxidation systems for regeneration of the chemical oxidizing 

        agent(s) used in ion exchange uranium enrichment cascades.

 7.0B002のauxiliary systemについて

   10 CFR part 110のAppendix B(ガス遠心分離補助システム関連)より。

   (Illustrative List of Gas Centrifuge Enrichment Plant Components 

      Under NRC's Export Licensing Authority)

  (a)Feed Systems/Product and Tails Withdrawal Systems:

       Especially designed or prepared process systems including:

       1.Feed autoclaves (or stations), used for passing UF6 to the 

     centrifuge cascades at up to 100 KN/m2 (15 psi) and at a rate 

     of 1 kg/h or more.

    2.Desublimers (or cold traps) used to remove UF6 from the 

     cascades at up to 3 kN/m2 (0.5 lb/in2) pressure.

         The desublimers are capable of being chilled to -70 ℃ and 

         heated to 70 ℃.

       3.Product and tails stations used for trapping UF6 into 

         containers.

         This plant equipment and pipework are wholly made of or lined 

         with UF6 resistant materials (see Footnote to this Section) and 

         are fabricated to very high vacuum and cleanliness standards.

    (ガス拡散プラントの場合:3. Liquefaction stations where UF6 gas

         from the cascade is compressed and cooled to form liquid UF6;)

  (b)Machine Header Piping Systems:

       Especially designed or prepared piping systems and header systems 

       for handling UF6 within the centrifuge cascades.

       This piping network is normally of the "triple" header system with 

       each centrifuge connected to each of the headers. There is thus a 

       substantial amount of repetition in its form. It is wholly made of 

       UF6 resistant materials (see Note to this Section) and is 

       fabricated to very high vacuum and cleanliness standards.

 8.0B002.bにおけるdesublimer(分離昇華器)の機能について

   urenco社のパンフレット(http://www.urenco.com/brochure_ud-de_07_

   CgOqG.pdf)より抜粋。

   the two output streams are collected separately in refrigerated 

   tanks known as desublimers.

   The desublimers are cooled down to -70°C. 

      When filled with solid UF6, the desublimers are heated up and the 

      UF6 flows in its gaseous form through pipes to the transport 

      containers, where it is again solidified by cooling.

 (訳者注:desublimerで収集・冷却し固体にした後、加熱してガス化して次の

      コンテナに輸送した後、再度冷却して固体にする)

 9.0B002.fの項目

  (1)本文ではf.の項目がなく、いきなりf.1/2項目が示されている。しかし、

       訳文ではその他項目の表記方法に合せるため、訳者が10 CFR part 110の

       Appendix Cを参照しf.項目を追加し体裁を整えた。

  (2)f.2の真空ポンプについて

    上記のAppendix Cより抜粋。

    Vacuum pumps especially designed for service in UF6-bearing 

       atmospheres made of, or lined with, aluminum, nickel, or alloys 

       bearing more than 60 percent nickel. These pumps may be either 

       rotary or positive displacement, may have fluorocarbon seals, 

       and may have special working fluids present.

 (訳者注:六ふっ化ウランの特徴を帯びた雰囲気中で使えるように特別に設計

      された真空ポンプであって、アルミニウム、ニッケル又はニッケル

      の含有量が60パーセント以上の合金から成る、若しくはそれらで裏

      打ちされたもの。これらのポンプは回転式又は容積形のいずれかで

      あって、フルオロカーボン封止を有し、かつ、特殊な作動流体を保

      持する)

 10.0B003.aにおけるconcentratesについて

    これが動詞の現在形だとすると、主語は三人称単数でなければならない。

    systemsは除外されるから、主語はthe conversion of uranium oreとな

    りそうである。そうなると、concentrates以降は前記主語を修飾する関

    係節であって、関係詞が省略されたものと考えられる。しかし、この関

    係詞は主格にある関係代名詞でなければならず省略できないので、結局

    concentratesは動詞ではないことになる。

    辞書を見るとuranium concentrate:ウラン精鉱とあるので、これを名詞

    の精鉱と訳した。本項目の訳者注も参照。

 11.0B006における照射済原子炉燃料要素について

    ここでは照射済(irradiated) の意味を調べる。実行関税率表において、

    HS.code 2844.50に対する品名欄の邦文と英文を対照すると次の通り。

       ・使用済みの原子炉用核燃料要素(カートリッジ)

       ・Spent (irradiated) fuel elements (cartridges) of 

        nuclear reactors

    これより、照射済(irradiated)は使用済みと同義語とみなせる。原子炉

    内で核分裂の連鎖反応が起るのは分裂により生じた中性子の一部が燃料

    に照射されるからであり、従ってこれを照射済みと呼ぶものと思う。

    一方、核防護の観点からすると照射済みの方が未照射のものより核兵器

    に移転するのが困難であり、防護レベルを下げることができるとされて

    いる(下記の参考資料による)。

 12.0B986におけるammunition hand-loading equipmentについて

    頭書前半は散弾銃用弾丸の製造装置であり、後半はそれとその他の薬包

    の両方に使用できる弾薬手動装填装置である。

    合衆国軍需品リスト(http://www.pmddtc.state.gov/docs/ITAR/2007/

        ITAR_Part_121.pdf)CATEGORY IIIから抜粋

    (c)Equipment and tooling specifically designed or modified for

           the production of defense articles controlled by this 

           category.

        (f)(3)Equipment and tooling in paragraph (c) of this category  

              does not include equipment for hand-loading ammunition. 

        これから、後半の装置は弾薬を(銃や砲)に手動装填するものであり、

    それらは本軍需品リストの規制対象外であって、EARの規制対象であ

    ることが分かる。

 13.0B999におけるRS許可要件の訳について

    そこに記載されている参照資料§742.6からRS許可要件の部分を抜粋

    して次に示す。

    (3)As indicated on the CCL, a license is required for the export

           or reexport to Iraq or transfer within Iraq of the following 

           items controlled for RS reasons on the CCL:  0B999, 0D999, 

           1B999,1C992, 1C995, 1C997, 1C999 and 6A992.The Commerce 

           Country Chart is not designed to determine RS licensing 

           requirements for these ECCNs.

    これから、規制理由RSによる要件はイラク向けの、輸出、再輸出又は

    イラク国内における移転に係わり、0B999原文のfor regional..reason

    が3番目の国内移転のみに限定されないことが分かった。そこで、本文

    の如く訳した。

    (当初、イラク向けの輸出、再輸出は§746.3の通商禁止条項により、

     イラク国内移転のみ§742.6の規制理由RSにより規制されるものと

     誤解していたので上記の検討をした)



<参考資料>

 1.ウラン濃縮法(ウランを濃縮する方法)

    (http://www5.ocn.ne.jp/~ys2001/yougo-kaku.htmlより抜粋)

    遠心分離法 : 遠心力の場で質量差による違いを用いる。

    ガス拡散法 : 微細穴を透過するときの拡散速度の違いを用いる。

    電磁法 : 電磁場で質量差による違いを用いる。

    ノズル法 : ノズルから吹き出す速度差を利用する。

    イオン交換法 : 化学的に酸化還元時に反応差を利用する。

    光化学的分離法 : 光化学反応速度差を利用する。

    化学交換法 : 塩酸ウラン溶液を使用する。

    レーザー濃縮法 : レーザー光線を照射して分離する。

    原子レーザ法 : 金属ウランを気化させた蒸気状態でレーザー光線を

             与えて分離する。

    分子レーザ法 : 六フッ化ウランの気体にレーザー光線を与えて分離

             する。 などがある。

   現在、工業的に行われているのは「ガス拡散法」と「遠心分離法」であり、

    他の方法は実験室規模からパイロットプラントまでの色々の段階にあり、

   開発内容は機密措置が取られて不明である。

   米国とフランスを初めとする四カ国共同はガス拡散法で、英国、西独とオ

   ランダの三国共同プラントは遠心分離法である。

   わが国は遠心分離法による開発を行ってきており、商業ウラン濃縮工場は

   平成4年3月より日本原発のウラン濃縮工場(青森県六ヶ所村)で操業運

   転を開始している。

 2.ウランの抽出と濃縮

   MSNエンカルタ百科事典より。

   (http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761557628/content.html)

   ウランの抽出法は鉱石によってことなるが、瀝青ウラン鉱からウランを抽

   出する場合は、粉砕した鉱石を硫酸で処理し、ウランを溶解させる。この

   とき鉱石にふくまれるラジウムなどの金属は、硫酸塩の沈殿として除去さ

   れる。また、カルノー石からの抽出では、熱アルカリ水溶液による処理で、

   鉱石中のウランをとかしだす。

   酸やアルカリに溶解したウランは、溶媒抽出法で有機溶媒中に再抽出し、

   さらに濃度を高め、不純物をのぞく。そのほかイオン交換によってウラン

   の濃度を高める方法もある。こうしてウラン濃度の高まった溶液にアルカ

   リを作用させると、溶液中のウランは黄色い二ウラン酸塩となって沈殿す

   る。この沈殿からつくられる酸化ウランU3O8の黄色粉末はイェローケーキ

   とよばれ、濃縮ウランの原料となる。

 3.ウラン還元

   (http://asrc.tokai-sc.jaea.go.jp/15panhu/kagaku/25kagaku/25note2

   .pdf)より抜粋。

   微生物、硫酸還元菌の電子伝達系において6価ウランに直接電子が授与さ

   れ4価ウランに還元されることが示されてから、微生物による重元素の化

   学状態変化機構の解明研究が世界的な規模で展開されている。

   ⇒還元とは、酸化された物質を元へ戻すこと(即ち、酸素を奪うこと)を

   言い、広い意味では物質に電子が与えられる変化を総称する(広辞苑)。

 4.イオン交換法の原理

     (http://takedanet.com/2007/04/post_6010_1.html)より抜粋。

   化学法ウラン濃縮はイオン交換体を用いて、ウラン235を濃縮する方法

   である。ガラスの濃縮塔にイオン交換体を充填する。イオン交換体にはア

   ニオン交換体を用いている。ウランを供給する前に4価のウランを酸化さ

   せるFeの様な酸化剤を供給してイオン交換体に吸着させる。そこに4価

   のウランを供給すると酸化剤と反応して6価のウランに変化し、その状態

   でイオン交換体に吸着する。ウランを供給し終わったら続いて還元剤を供

   給する。吸着している6価のウランは還元剤によって4価のウランに変化

   し、イオン交換体から脱離して下方に流下する。

   この様にするとウラン238に対して、ウラン235の方がより多くイオ

   ン交換体に吸着するので、酸化剤と還元剤を供給してウランの吸着帯(バ

   ンド)を流すと、ウランバンドの下方にウラン238が蓄積し、上方にウ

   ラン235が蓄積する。これが化学法ウラン濃縮の簡単な原理である。

 5.ウランの転換

   ウィキペディア(Wikipedia)「天然ウラン」より抜粋。

   イエローケーキから六フッ化ウランを製造する過程を転換と呼び、転換を

   行う工場を転換工場と呼ぶ。実際にはウラン精鉱の精製錬も行われる。イ

   エローケーキから二酸化ウラン、四フッ化ウランを経て六フッ化ウランが

   製造される。四フッ化ウランは、緑色の固体のため、グリーンソルトとも

   呼ばれることがある。ただし転換工場内でしか取り扱わないため、一般に

   グリーンソルトを目にする機会は無い。転換工場の最終製品である純度を

   高めた六フッ化ウランガスは、48Yシリンダー(直径約1.4m、長さ約3.8

   mの鋼製円筒容器)と呼ばれる輸送容器に封入されて出荷される。

   転換工場も日本には無い。日本からウランを買いつける場合は、転換工場

   から六フッ化ウランを購入することになる。

 6.重水の製造

   JNCホームページ(下記URL)から、ロンドンガイドラインパートTの

   「添付書B、トリガー・リスト品目の説明」より抜粋。

      (http://www.jaea.go.jp/jnc/kaihatu/hukaku/database/5/3/5-j.html)

   重水は様々なプロセスによって製造できる。しかしながら、商業的に成立

   し得ることが証明されているプロセスとしては、水-硫化水素交換プロセ

   ス(GSプロセス)及びアンモニア-水素交換プロセスの2 つが挙げられる。

    GSプロセスは、塔頂部が低温、また、底部が高温で運転される連続して

   設けられた反応塔内部での水と硫化水素間の水素-重水素交換に基づいた

   プロセスである。硫化水素ガスが塔の底部から頂部に循環する間に、水は

   塔を流下する。ガスと水の混合を促進させるために、連続した穴あき板が

   用いられる。重水素は、低温領域で水に移行し、高温領域で硫化水素側に

   移行する。重水素が濃縮されたガスあるいは水は、高温塔と低温塔との接

   合部で第一ステージの塔から除去され、以降のステージの塔において同様

   のプロセスが繰り返される。最終ステージの生成物(重水素が最高30%に濃

   縮された水)は、原子炉級の重水(すなわち、99.75%の酸化重水素)を生産

   するため、蒸留ユニットに移送される。

    アンモニア-水素交換プロセスでは、触媒の存在下で液体アンモニアと

   接触させることによって合成ガスから重水素を抽出することができる。合

   成ガスは交換塔に供給され、それからアンモニア転化器に供給される。塔

   内では、液体アンモニアが頂部から底部に流れ、ガスが底部から頂部へと

   流れている。重水素は、合成ガス中の水素から除去され、アンモニア中で

   濃縮される。その後、アンモニアは塔の底部にあるアンモニア熱分解器に

   入り、一方、ガスの方は頂部にあるアンモニア転化器に流れ込む。次のス

   テージでは、更に濃縮が進み、最終蒸留によって原子炉級の重水が生成さ

   れる。合成ガス原料は、重水のアンモニア-水素交換プラントと共に建設

   可能なアンモニアプラントから供給される。また、アンモニア-水素交換

   プロセスは、普通の水を重水素の原料源として利用することもできる。

 (訳者注:重水炉とは炉心の冷却と中性子の減速のために重水を用いる原子炉

      であって、天然ウランを燃料に使うことができる。

      軽水炉は上記の重水に代えて普通の水を用いるもであって、燃料に

      は濃縮ウランを使うもの)

 7.照射済燃料体の再処理プラント

   JNCホームページ(下記URL)から、ロンドンガイドラインパートTの

   「添付書B、トリガー・リスト品目の説明」より抜粋。

      (http://www.jaea.go.jp/jnc/kaihatu/hukaku/database/5/3/5-j.html)

   照射済核燃料の再処理は、プルトニウムとウランを、強度の放射性核分裂

   生成物及びその他の超ウラン元素から分離するものである。この分離はこ

   れ以外の技術的プロセスでも可能である。しかしながら、長年にわたって

   ピューレックス(PUREX)法が最も一般的に 用いられ、かつ受け入れられる

   プロセスになっている。ピューレックス法では、照射済核燃料を硝酸中で

   溶解した後、ウラン、プルトニウム及び核分裂生成物を燐酸トリブチルと

   有機溶剤の混合物を使用して溶媒抽出することによって分離する。

   ピューレックス施設は、どれも互いに類似したプロセス機能を有し、照射

   済燃料体の剪断、燃料の溶解、溶媒抽出及びプロセス溶液の貯蔵が含まれ

   ている。また、硝酸ウランの加熱脱硝、硝酸プルトニウムから酸化物ある

   いは金属への転換及び核分裂生成物廃液の長期貯蔵や処分に適する形態へ

   の処理といった用途の機器も含まれる可能性がある。しかしながら、これ

   ら機能を果たす機器の形式や構造は、いくつかの理由により、ピューレッ

   クス施設間で異なる場合もある。これには、再処理すべき照射済核燃料の

   形式・量、回収物質の計画仕様及び施設設計に組み込まれる安全性や保守

   の思想などの違いが含まれる。

   「照射済燃料体の再処理施設」には、通常、照射済燃料、主要核物質及び

   核分裂生成物の処理フローに接触かつ直接制御する機器やコンポーネント

   が設置される。

   プルトニウム転換及びプルトニウム金属製造用の系統全体を含む、こうい

   ったプロセスは、臨界防止(形状による)、放射線被曝防止(遮蔽による)及

   び毒性被害防止(閉じ込めによる)の対策が講じられていることによって区

   別できるであろう。

 8.テロ組織による核爆発装置製造の難点

   日本原子力学会和文論文誌,Vol.5, No.2 2, p.136-151(2006)

   板倉周一郎,中込良廣:「核防護システムの評価の視点からみた核防護制

   度の課題」より抜粋。(http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/publication/

      TAESJ2006/No.2/5_2_136-151.pdf)

   テロリストなどの非合法集団が,盗取した核物質を用いて核爆発装置を製

   造する蓋然性は,即座に核爆発装置に組み込むことができる金属形状の核

   物質と,濃縮や再処理など,いくつかの工程を経て初めて核爆発装置の部

   品に成形できる,いわゆる核拡散抵抗性を持った核物質(MOX,使用済み燃

   料等)とでは大きく異なる。