補完的輸出規制の
キャッチオール規制への改正点(REV1)
従来、補完的輸出規制は対象貨物が87品目、技術は前記貨物の設計、
製造又は使用に専ら係る技術として実施されてきた。今回、その充実
を図るため対象品目を大幅に拡大したキャッチオール規制に改正し、
平成14年4月1日から施行されることになった。
ここでは、従来の施行内容である本ホームページの<安全保障貿易輸
出管理の基礎知識>「補完的輸出規制の概要」と対照の上、主な改正
点について纏めた。
1.改正の要点
(1)対象貨物・技術は、従来と同様に輸出令別表第1の16の項及び外為令別
表の16の項に規定されている。但し、対象品目はキャッチオールの呼称の
通り従来より大幅に拡大されている。(なお、食料品、木材等の対象外品目
がある。)
(2)前記16の項の貨物・技術については、「該当」の場合でも大量破壊兵器
等への転用のおそれがある場合に該当しなければ、経済産業大臣の許可を要
しない。また、不拡散政策を遵守しているとされる輸出令別表第4の2の地
域は規制対象地域としない。等々(1)項を除き、法令等の仕組みは上記
「補完的輸出規制の概要」に記載の通り、従来と基本的に変わらない。
(3)なお、改正点の詳細は次項以降に、上記「補完的輸出規制の概要」と対照
の上詳述する。
2.法令の主な改正点
(1)輸出令(H13政令439号)
@別表第1の16の項の対象貨物を87品目からキャッチオール品目に改訂(関税定
率法別表の類による分類を採用)、又、規制地域が全地域から全地域(別
表第4の2に掲げる地域を除く。)に改訂された。
A第4条(特例)の内、補完的輸出規制に関係する号番を四号から三号に繰
り上げ。但し、三号イ.客観要件、ロ.インフォーム要件の文言変更なし。
(2)外為令(H13政令439号)
@別表の16の項の技術は上記(1)@に該当する貨物の設計、製造又は使
用に係る技術であって、省令で定めるものとあり表現上の変更なし。
但し、規制地域が全地域から全地域(別表第4の2に掲げる地域を除く。)
に改訂された。
(3)おそれ省令(省令249号,H13.12.28)
@核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める条文は全
面改正されたが、用途確認・需用者確認等の基本的な内容に変更なし。
A上記の需用者確認(当該省令2,3号)において、(当該貨物の用途並びに
取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる
行為以外のために用いられることが明らかなときを除く。)の一文が追加
された。また、入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるもの
(文書等告示)において、と言う限定条件が付加された(R1)。
B別表の第2号が原子炉の運転→原子炉又はその部分品の開発等に改訂され
た。その他、研究→開発に改訂等あり。
(4)貿易外省令(省令348号,H13.12.28)
主な改正点なし。
(4-5)文書等告示(告示760号,H13.12.28)(R1)
経済産業省が作成した文書等、即ち懸念需用者リストが新たに設けられ
た。
(5)告示で定める化学物質の開発等(告示761号,H13.12.28)
研究→開発に改訂等若干の改訂あり、しかし本質的な変更はなし。
(6)おそれ告示(告示759号,H13.12.28)
@基本的な内容に変更なし。
A但し、当該告示2,3号の需用者確認において、(3)Aと同様に「明らかな
なときを除く。」の一文が追加された。また、懸念需用者リストの確認
が追加された(R1)。
(7)知った場合の取扱(輸出注意事項12第85号)
主な改正点なし。
(8)「明らかなとき」を判断するためのガイドライン(輸出注意事項14第9号)
@上記(3)A及び(6)Aにおいておそれがある行為以外のために用い
られることが「明らかなとき」は許可を要しないとされている。その判
断基準を新しくここに規定している。
(9)その他運用・手続き等は上記改正に基づき改訂されているが省略する。
3.規制対象品目
(1)対象貨物(輸出令別表第1の16の項)[注1]
関税定率法別表第25類から第40類まで、第54類から第59類まで、第
63類、第68類から第93類まで又は第95類に該当する貨物(1から
15までの項の中欄に掲げるものを除く。)
[注1]本ホームページの<通関士試験・補充講座>(3)参照
(2)対象技術(外為令別表の16の項)
関税定率法別表第25類から第40類まで、第54類から第59類まで、第
63類、第68類から第93類まで又は第95類に該当する貨物の設計、製
造又は使用に係る技術であって、経済産業省令で定めるもの[注2](1か
ら15までの項の中欄に掲げるものを除く。)
[注2]経済産業省令で定めるものは、前記貨物の設計、製造又は使用に専ら
係る技術とする。(省令247号,H13.12.28)
4.「補完的輸出規制の概要」との対照
(1)法令等の仕組みに基本的な変更はなし。但し、省令番号等は改正後の最新
の法令によること。(輸出令別表第4の2の地域にチェッコ、ポーランドを追加要。)
(2)許可要否判定フローに変更なし。但し、「おそれ」ありの判定には、新た
に追加された「明らかなとき」の判断を加える必要がある。
(3)「おそれ」の該非判定チェックシートにおいて、[別紙]Bの原子炉の運
転→原子炉又はその部分品の開発等に訂正要。また、需用者の確認イ、ロに
おいて、「明らかなとき」はnoとするを追記し、新たに「明らかなとき」の
チェック項目を追加する必要がある。さらに、「ハ.懸念需用者リストに該
当するか。」を追加する必要がある(R1)。なお、その他文言に多少変更があ
るので、最新のおそれ省令等により置き換えが必要。
(4)まとめについては(1)項を除けば、他に変更なし。
上記検討結果より、今回の改正の要点は対象品目がキャッチオールに改正さ
たことであり、その他仕組み等に基本的な変更はないことが分かる。
従って、従来の「補完的輸出規制の概要」に上記の改正点を各自追加され、
4/1から施行される法令に合致するよう更新されることを推奨します。
以上
[改訂来歴]
REV1,2002.3.23 2.(4-5)文書等告示及び懸念需用者リスト関連を追加し
訂正した。なお、H14.3.22経産省ホームページ掲載文では
これを外国ユーザリストと称している。