加工又は修繕される貨物の減免税
関税定率法、関税暫定措置法に定める減免税、戻し税制度は対象が多岐に
1.適用条項と適用要件及び減免税額
適用条項 | 適用要件 | 減免 税額 |
加工又は 修繕 場所 |
再輸出免税 (定率法第17条) |
@加工される貨物又は加工材料となる 貨物で政令で定めるもの または A修繕される貨物で、 Bその輸入の許可の日から1年以内 (但し、やむを得ない理由があり、認め られた時は税関長が指定する期間) に輸出されるもの。 C政令で定めるものとは、施行令31条に 掲げられる貨物で、絵画または模様を 焼き付けるために輸入する陶磁器 等 である。 |
免税 (100%) |
本邦 |
再輸入貨物 の無条件免税 (定率法第14条) |
@本邦から輸出された貨物が再輸入され ること。 A貨物の性質、形状が輸出許可の時と 輸入の時で変わっていないこと。(注) B輸出の際に減免税等を受けていない こと。 (注)外国において使用したものや、些細な 加工、修繕したものであっても本条を 適用できる。 |
免税 (100%) |
外国 |
加工又は修繕 のため輸出さ れた貨物の減税 (定率法第11条) |
@加工又は修繕のため輸出された貨物 (注)が、加工又は修繕後、再輸入され ること。 A輸出の許可の日から加工又は修繕後再 輸入されるまでの期間が1年以内である こと(但し、やむを得ない理由があり、認 められた時は税関長が指定する期間)。 (注)加工のためのものについては、本邦に おいてその加工をすることが困難であ ると認められるものに限る。 |
2項参照 | 外国 |
加工又は組立て のため輸出され た貨物を原材料 とした製品の減税 (暫定法第8条) |
@輸出された貨物を原材料として外国で 加工又は組立てが行われた特定の 製品で、(注) A輸出の許可の日から輸入されるまでの 期間が1年以内であること(但し、やむを 得ない理由があり、認められた時は税関 長が指定する期間)。 B特恵関税の適用を受ける物品には、 本条を適用できない。 (注)特定の製品の範囲は、本条に規定す るじゅうたん、靴下、カーテン等であり、 また、輸出された原材料の範囲と加工 又は組立ての制限等を政令で定めて いる。例えば、レース加工等特定の加 工をしたものは適用除外とされている。 |
2項参照 | 外国 |
2.加工、組立て又は修繕貨物の減税額
上表の再輸入される貨物(又は製品)の減税額は、当該輸入貨物(又は製品)
の関税額に、その輸出貨物が輸出の許可の際の性質及び形状により輸入され
たものとした場合の課税価格の当該輸入貨物(又は製品)の課税価格に対す
る割合を乗じて得た額であり、次式で表わせる。
減税額= |
当該輸入貨物(注1) |
X |
輸出貨物(加工・組立・修繕前)の課税価格(注2) | |
の関税額 |
当該輸入貨物(加工・組立・修繕後)の課税価格 |
[注]上式において
(1)当該輸入貨物には製品を含む。 |
(2)輸出貨物(加工・組立・修繕前)の課税価格 |
・上表の貨物の減税(定率法第11条)の場合は、輸出価格(FOB)に往復の運賃 |
及び保険料を加算したものに相当する。 |
・上表の製品の減税(暫定法第8条)の場合は、輸出価格(FOB)に100分の106 |
を乗じて得た額とする。(施行令第45条) |
3.手続き等
関税の減免税を受けるには、所定の手続き等が必要である。(手続き等は
専門書を参照のこと。)ここでは、上表の適用条項に関し、確認申告書、
担保の提供の要否及び関税が直ちに徴収される場合の有無について纏めた。
適用条項 | 確認 申告書 |
任意 担保 |
関税が直ちに 徴収される場合 |
備考 |
再輸出免税 (定率法第17条) |
X | ○ | ○[注3] | 1,4号 |
再輸入貨物 の無条件免税 (定率法第14条) |
X | X | X | 10号 期限なし |
加工又は修繕のため 輸出された貨物の減税 (定率法第11条) |
○ | X | X | 輸出時に 確認手続き要 |
加工又は組立てのため 輸出された貨物を原材 料とした製品の減税 (暫定法第8条) |
○ | X | X | 同上 |